quickreport.com

できるだけ早くレポートしますできるだけ

【サマソニ大阪 (2日目)】Blood Orangeを観た!!

17:50。ソニックステージにBlood Orange登場。プロデューサー、デヴ・ハインズのバンド。

夕暮れ (朝焼けかもしれない)の光で赤橙に染まるニューヨークの摩天楼をバックに、ゆったりとしたビートに緊張感のあるコード&メロディーを乗せた音楽が奏でられていた。

デヴ・ハインズは華麗なターンやステップを決めてキレの良いダンスを披露したり、ファンキーなギターカッティングをキメたりして盛り上げてくれた。フロントマンとして煽るというよりも、バンドの一部に溶け込んで全体の品質をリッチに向上させるような働きに徹していて、流石プロデューサーというの全体のバランスを鑑みて絶妙なポジショニングを心得ているのだなぁと感心した。

ちなみにこの日、ソニックステージの転換中BGMとしてずっとANOHNI「Drone Bomb Me」やジェイムス・ブレイク「Timeless」などゆったりしたちょっと暗い曲が流れてたんだけど、Blood Orange開演前のタイミングがいちばん雰囲気に合ってたと思う。(おカラカル

【サマソニ大阪 (2日目)】ゲスの極み乙女。を観た。

13:55。マウンテンステージにゲスの極み乙女。が登場。 

気温がピークに達する、暑さがいちばんしんどい時間帯にメンバー全員黒ずくめの衣装で登場。「私以外私じゃないの」をギターレス・ドラムレスで再構築したライブバージョンで幕を開けた。

太陽が燦々と照りつける灼熱地獄の中で川谷絵音が矢継ぎ早に繰り出す言葉を聞いていると、暑さでボーッとしてるのもあってトランス的な高揚感が沸き起こってきた。「キラーボール」の忙しないリズムに乗っていると、自分たちが太陽をミラーボールにして踊っているように思えてきた。

最後の曲で ほないこか の高速ドラムソロが、澄んだ青空に響き渡るのを観ていて、暑いからこそ楽しい瞬間があって良かったなぁと思った。(おカラカル

サマーソニック大阪でホセ・ジェイムズを観た。

2010年代のジャズ界にヒーローがいるならば間違いなくホセ・ジェイムズはその一人であることは間違いないだろう。彼の持つ色気、そして艶やかな歌声はジャズ界の枠を飛び越えたポップとして機能しているようにすら思える。そんな彼ばバンドセットでサマーソニックに登場するのだから期待しかないわけで。

「Always There」、「What Good Is Love」と彼の2017年のアルバム「Love In A Time Of Madness」のナンバーが大阪の青空に音の1つ1つがまるで溶け込むかのように響きわたる。彼らのサウンドはジャズやネオ・ソウル、ヒップホップなど様々な文脈を横断し、昇華しているのだが、ただそれ以上にホセの歌声がとにかく凄まじい。力強く芯もしっかりとしながら優しく、ピースフルな歌声に痺れる。

何度も「オオサカ、オオキニ!」と叫ぶがホセがラストナンバーに選んだのは今は亡きプリンスに捧げた「Live Your Fantasy」。会場からは手をあげてダンスする者、歌を口ずさむ者、思い思いの形でこのホセが作り上げた空間を楽しんでいた。まさに白昼夢というべき素敵なひとときであった。 (ゴリさん)

【サマソニ大阪 (2日目)】LANYを観た

11:55。ソニックステージにLANYが登場。

このバンド、前にApple MusicでThe 1975をチェックしたとき「同じタイプのアーティスト」に出てきて、聴いてみたら甘くてメロウで切ないサウンドがツボってとっても気になっていた。

ライブでは:

  • 生ドラムの力強いビートが気持ちいい。カウベルとシンセパッドを合わせてセットしたスタイルは今風だけど、右側にスネア・左側にフロアタムを据えた面白いセッティングだった。
  • 打ち込みシンセを活用しながら、ツインギターのハモリや掛け合いが飛び出す多彩さがインパクト大! だった。
  • ボーカルのポール、長髪を振り乱し黒のストラトキャスターを構えた姿はロックスター性があるなと思った。ハンドマイクで歌う曲ではステージから降りて客を煽ってサービス精神満載だし、途中で髪を団子に括ってイケメン度爆増!

と、見どころがたくさんあってお客さんも多く良い雰囲気で楽しかった。

LANY の "LA" は、出身地ロサンゼルスのLAなのかもしれない。LA LA LAND みたいにね。(おカラカル)

サマーソニック大阪でピコ太郎を観た。

いよいよサマーソニック大阪2日目が幕開け!雲1つない青空に包まれたOCEAN STAGE。サマソニ大阪最大規模ステージとなるこのステージ、しかも朝一番なのにもかかわらず、あの男を一目観たい大勢のオーディエンスによってステージは埋め尽くされていた。そうペンとリンゴとパイナップルで去年日本を、いや世界を虜にしたアーティスト、ピコ太郎がOCEAN STAGEのトップバッターとして登場するのだ。

ステージに登場したDJが颯爽とバッキバキなダンスビートをドロップ。会場からは流れるビートに合わせジャンプするもの、聴き入るもの、と思い思いの形で楽しんでいる様子だ。観客がビートに身をゆだねていると、疾風怒濤のごとくピコ太郎見参。「大阪のみなさん、おはようごさいます。」と挨拶すると投下されたのはなんと彼の代表曲「ペンパイナッポーアッポーペン」だ。これには観客も悲鳴にも似た歓声が飛び交う。

サマーソニック盛り上がってますか。やっぱり上沼恵美子の国ですね。スゲェ盛り上がってますね!」と嬉しそうに語るピコ太郎。そして「ネオ・サングラス」で会場から笑い声を誘い、「 I LIKE OJ」ではダンスの嵐を巻き起こす。この男やはり本物だ。

またこのサマーソニックの為に作られた公式ナンバー「サマーソニック音頭」ではピコ太郎の踊りに合わせて観客も踊りと手拍子で対抗。さらにピコ太郎は会場全体をしゃがませて一斉にジャンプをさせると会場は再びダンスの嵐に包まれた。最後は「ペンパイナッポーアッポーペン」のリミックスバージョンを投下。「パイナッポーペン」チームと「アッポーペン」チームに別れて観客からコールを要求。観客もピコ太郎の熱演に割れんばかりのコールで応戦。最後は会場全体がジャンプとヘッドバンキングが巻き起こり終了。

まさにトップバッターに相応しい至福の時間を作り出すアクトだった。(ゴリさん)

2017年のライジングの大トリ、くるりを観た

f:id:ongakudaisukiclub:20170814193005j:image

4年ぶりのライジングでのくるり。しかも大トリということで我々くるり民からは並々ならぬ期待を寄せられていたわけだけど、蓋を開けてみれば『アンテナ』再現ライブでした。いや実際は4曲しかやってないんだけど、雨の中疲れた身体で聴く「Morning Pepar」「Hometown」「黒い扉」(「ロックンロール」はアンコール)はドS師匠岸田繁の容赦ない洗礼でした。いや今思い返すとクリフのドラムは神がかっていたし、復帰したファンファンのコーラスが艶っぽくこれ以上ないご褒美だったわけだけど、雨の中オールナイトした直後の身体には染み渡り過ぎた。ただ、その後の「Long Tall Sally」からの「Superstar」は、『NIKKI』の収録順において「そのギターからなぜ繋げない!」状態だったので念願叶って泣いた。(わからない人は実際におうちで聴いて)

後半戦はファンファン加入後の最近の曲を連発。この辺は素直にくるり二人から「お帰りなさい」なのかなーと思ったり。ただ「everybody feels the same」でピークに持っていった後、間の悪いMCを挟みつつ「Liberty&Gravity」で締めるあたりが、13年前の夜明け前の同じステージで「ブルース」で締めた時同様、「フェスだからと言って盛り上げるとは限らないよ?」的な姿勢がまったく変わっていないことに頼もしさ(と少々の苛立ち)を感じました。くるり、ほんと変わんないよね!(ぴっち)

 

銀杏BOYZを観た

f:id:ongakudaisukiclub:20170814182823j:image

2年前にEARTH TENTで観てから早2年、あの時は峯田一人だったけど、この時は藤原寛と岡山健二というandymoriのリズム隊、そして解散したThe Cigavettesの山本幹宗、そして2の加藤綾太の五人体制だった。ついにバンド編成の銀杏BOYZが観られる!と個人的に意気込んでいたが、いい意味で憑き物が取れていて、より峯田個人のバンドとしての意味合いを強めていたにように見えた。

峯田一人で登場し「光」を歌い上げ、途中からメンバーが入場しバンドになっていった。サポートメンバー全員がそれなりのキャリアがあるからそれぞれ持ち味は出ていたが、むしろ4人とも銀杏BOYZを全うする」ことを意識していたように見えた。僕は初期の銀杏のライブを実際に観たことはないが、全員がぶつかりあうような総合格闘技っぽさはほとんどなくて、むしろ峯田やオリジナルメンバーに敬意を持ちながら、今の峯田のやりたいことと銀杏の伝統をうまく両立させていたと思う。

「若者たち」「駆け抜けて性春」でずっと銀杏を待ち望んでいた人たちが爆発していていた。でも個人的には「エンジェルベイビー」「新訳 銀河鉄道の夜」が今の銀杏を表しているように見えた。刹那的に生きていた銀杏BOYZという一つの生命体が、より大きな何かに変わろうとしているのだと思う。(ぴっち)