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Special Favorite Musicの『Royal Blue』を聴いた

itun.es

とてもいい。いろいろ考えることが多くて、例えばそれこそceroといったシティポップの流れを汲むバンドとも言えるし、最近のくるりのようなチェンバーポップの要素を含むバンドとも言える。でもそれ以上にひたすらポップでぐっとくる。細かく聴けばかなり複雑な構成なのだが、先に進むごとに聴く人のテンションを上げてくれるのはポップであるからこそ。

これは聴く側の都合で作り手には一切関係ないのだが、ceroがヒップホップをはじめとしたブラックミュージックを咀嚼した新たな日本語感を提示してあれこれ言われた後に、歌であること、歌謡曲そのものでは決しないのだが気持ちよく歌い上げていることが僕らリスナーが待ち望んでいたものでもあるし、音楽全体における小さいけれど確実な進化を示しているようにも思えるのだ。ハイスタやミッシェルが切り開いた地平線を僕らのもとに運んでくれたアジカンのように。彼らがこの先どのように歩み進むのかはわからないけど、今この時ばかりはこの奇跡的な瞬間を楽しみたい。(ぴっち)